北山村の日常

じゃばらってこうして育ってます。じゃばら農家の一年

皆様こんにちは!じゃばら村のヤナギハラです。
突然ですが、あの爽やかな酸味とほんのり苦みがクセになる「じゃばら」、どんな風に育てられてるか知っていますか?
一つひとつの実の裏には、農家さんたちのたくさんの手間と工夫が詰まってるんです。今回は、私の義父が育てているじゃばら畑の一年を通して、その舞台裏を少しだけご紹介したいと思います。

春:じゃばらの準備スタート!

春になると、畑ではまず草刈りからスタート。草を刈って土をきれいに整えると、果樹の呼吸がしやすくなるんだそうです。

5月には白くてかわいい花が咲き、6月には小さな実がちらほら。

草も元気に伸びてくるので、義父は毎日のように草刈り三昧。地味だけど、実はすごく大事な作業です。

夏:果実を守る

果実がどんどん育つ夏。草刈りに加えて、虫や病気との戦いも本格化します。中でも要注意なのが「カミキリムシ」。木の中に卵を産んで、孵った幼虫が内部を食い荒らすという、まさに木にとっての大敵!特に若い木はダメージが大きくて、ひどいと枯れてしまうことも。そんなわけで、毎日木の様子をよく観察して、葉っぱの裏までチェックしてるんです。こちらが、8月現在のじゃばらの実。暑さに負けず、元気に育ってくれることを願っています。

秋:ついに収穫!1年の集大成

11月、待ちに待った収穫シーズン。
「今年の実はどうかな?」「ちゃんと育ってるかな?」と、農家にとっては喜びと緊張が入り混じる時期です。一つひとつ手で収穫していくこの作業、実を傷つけないようにすごく気を使います。でも、この丁寧さが、あの新鮮な風味につながってるんですよね。

冬:寒さの中で整える、次の一歩

冬になると、今度は土づくり。土に牛ふんを混ぜて、ふかふかの土に整えていきます。やわらかい土は、じゃばらの木が元気に根を張るための大事な土台です。見えないところですが、ここから来年の実りがゆっくりと育ち始めているんです。同時に、枝の剪定(せんてい)作業も始まります。果樹はお休み中だけど、農家にとっては来年への準備期間なのです。

義父の元気なヒミツと、農家としての挑戦

一日中畑で働いてもとにかく元気な義父。元気のヒミツを聞いてみたら、「毎朝のじゃばら果汁入りスムージー」だそうです。

本当に風邪ひとつ引かないし、この暑い夏も元気に乗り越えられているのは、このスムージーのおかげ…

でも、ここまで来るのは簡単ではなかったそうです。定年後、まったくの未経験からじゃばら畑をスタート。草刈りや害虫対策、雨が降らない日々が続くときの木の健康管理。土づくり、ぜんぶ手探りだったそう。それでもあきらめずに少しずつ続けてきた毎日の作業が、今につながっています。

美味しさのウラには、たくさんの手しごとが

じゃばらの実は、1年をかけて育てられます。見えないところで続けられている日々の手しごとが、皆さんの「美味しい!」につながっているんです。
今日も、義父はじゃばら畑で汗をかきながら作業中。そんな想いが少しでも伝わって、じゃばらの味をもっと深く楽しんでいただけたらうれしいです。

じゃばら

へんなみかんが
1本
だけありました。
その名は「じゃばら」。

和歌山県の小さな山村「北山村」に、柚子でもない、スダチでもない、とんでもない、へんなみかんが1本だけありました。その名は「じゃばら」。鬼も逃げ出す酸っぱさからか、はたまた松のような不思議な香りがするからか、それは定かではありませんが「邪気を払う」、そんな意味でこう呼ばれていました。たった1本の木から、過疎化の救世主として大事に、大事に育てられ、今ではその数なんと7,000本!じゃばらは、さまざまな加工品となり、山奥の村から皆様のもとへお届けさせていただいています。